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【GTMF2017 TOKYO見聞録】VRはすでに定着、ゲーム界と異分野の「インタラクティブ化」が進行

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2017年7月14日に東京・秋葉原で開催された、アプリ・ゲーム業界向け開発&運営ソリューション総合イベントのGame tools & Middleware Forum(GTMF2017 TOKYO)に足を運んだ。

出展企業は26社。印象的だったのが、事前に発表された出展説明にVR、AR、MRなどの言葉を盛り込んだ企業が13社もあったことだ。もちろん、事業としてはVRなどに取り組んでいるが、GTMF2017 TOKYO出展にあたっては別のテーマを選んだケースもあるだろう。いずれにせよ、いまこの業界でVRが大きなトレンドであることを裏付ける格好になった。

GTMF運営委員会によると、VRが大きな盛り上がりを見せたのは昨年(2016年)で、委員会としてもテーマのひとつにした。今年はすでにVRが定着して「プラットフォーム化」しているように思えるという。

運営委員会は、GTMFを実際的なビジネスの場にしてほしいと考えている。ことさら「目新しいもの」を発表するのではなく、出展企業に実際的なマーケティングやビジネスの場として役立ててもらうのが運営コンセプトの基本だ。したがって、GTMFという場でVRなどが「当たり前のもの」として定着しつつあるのは、同イベントの理念にも符合する現象であるようだ。

その他の出展内容をざっと分類すれば、展説明でツール系・ソリューション系を打ち出した企業は9社、ミドルウェアは4社、ゲームエンジンは2社だ。「開発&運営ソリューション総合イベント」を謳うGTMFとして順当なところだろう。

■ プロジェクト管理ツール

もうひとつ興味深かったのは、「プロジェクト管理ツール」を出展した企業が4社あったことだ。まず、オートデスク、Too、ボーンデジタルの3社は販売を代理している「Shotgun」を出展した。「Shotgun」は米国でハリウッド企業などが映像制作の管理をするために生み出されたツールで、全世界では1000社以上が、日本でも100程度が導入したという。日本ではソーシャルゲームの制作に利用される傾向が見られる。

一方、MUGENUPは自社開発のプロジェクト管理ツール「Save Point」を出展した。同社Save Point事業部の杉田裕明事業部長によると、デザイナーなども簡単に使えることがコンセプトで、どちらかといえば人材面も資金面も制約の大きい小規模事業者向き。同社のイラスト受注などの事業の経験を生かして開発したもので、約2年前にリリースしてから100件程度の導入事例があるという。

ゲーム制作に投入する技術は高度化・複雑化している。開発に時間をかける場合もあるが、その理由は処理せねばならない情報量が膨大になったことだ。ゲームエンジン分野ではUnityの登場などで作業の簡素化に大きな進歩があったが、制作の進行が「余裕あるスケジュール」になったわけではい。かつてのゲームづくりに比べれば予算もスタッフ数も大幅に増えたチームが、すでに決まっている納期に間に合わせるために血眼になって作業を進める。したがって、工程管理の混乱は致命傷になる。そのためにも、クラウドなどを用いて必要なスタッフが情報を共有できるプロジェクト管理ツールに対する関心も高まっているようだ。

■ Unityとミドルウェア

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンには、Unityというゲームエンジンの登場により、業界がどう変わったのか、どう変わっていくのかを聞いた。まず、かつての状況についてはゲーム制作において画面の制作に精力を注がざるをえなかったとの説明だった。それが、ユニティの登場により省力化できるようになった。その分、ゲームそのものに意識を向けやすくなり、世に送り出す作品のゲームとしての面白さが業界全体として向上しているという。

また、ユニティという共通なゲームエンジンがあることで、制作関係者がさまざまな議論をしやすくなった。今後は、情報発信に熱心な企業が生き残っていくのではないかという。自らが情報を発信するのでなければ、情報を受け取ることも難しくなる。情報のやり取りに過度に閉鎖的なのではなく、情報交換を重視するという新たな発想に転じた方が有利になっていくとの見方だった。

ゲーム関連のイベントに足を運ぶたびに感じてしまうのが、技術面にせよ利用面にせよ、多くの産業と密接に関連しつつ変化が急速に進行していることだ。オーディオミドルウェアの「Wwise」を出展したAudiokineticによると、同製品はもともとゲームや映像作品の制作で使われてきた。映像作品では米SF映画「スター・ウォーズ」の制作でも使われた。一方で、最近は自動車分野での導入の動きがあるという。現在の自動車はナビゲーションや警報音などさまざまな音声を利用しているからだ。

さらにハイブリッド車や電気自動車、燃料電池車の場合、エンジン音なしに走行して周囲の視覚障害者に危険な場合があるとして、2018年3月以降の新型車には人工音を発する「車両接近通報装置」の搭載が義務付けられた。これらの音声を一括して管理するために、「Wwise」が注目されているという。

また、関連機器を販売しているツクモによると、ヘッドマウントディスプレイなどVR関連機器の販売先が、当初はそれほど考えていなかった教育現場に広がっている。最初は工学系の大学で、さらに専門学校なども加わってきたという。

考えてみれば、ゲームの世界は電子分野を中心とするさまざまな技術を貪欲に取り入れることで進化してきた。しかし今や、技術そのものや応用方法、さらに技術者をはじめとする関連する人材など、ゲーム界とその他の分野の関係が急速に「インタラクティブ化」しつつあるようだ。ゲーム関係の技術を本格的に学ぶ人にとっては、将来の仕事探しについて幅が広がりつつある局面と言ってよいだろう。

●以下は、GTMF2017 TOKYOの出展企業と主要展示物

★★株式会社アクセル★★
ミドルウェア「AXIP」、コスプレ・ダンジョンRPG「夢幻のラビリズ」
https://h2md.axell-embedded.com/unity/

★★インクレディビルドジャパン株式会社★★
ゲーム開発プロセスを30倍高速化するIncrediBuild
http://www.incredibuild.co.jp

★★株式会社ウェブテクノロジ★★
OPTPiX SpriteStudio Ver.6(ゲーム開発向け2Dスプライトアニメーションデータ作成ツール)
http://www.webtech.co.jp

★★Epic Games Japan★★
Unreal Engine 4(ゲームエンジン)
https://www.unrealengine.com/ja/what-is-unreal-engine-4

★★Audiokinetic株式会社★★
オーディオミドルウェア「Wwise」
https://www.audiokinetic.com/ja/

★★株式会社グランドステージ★★
リアルタイム"イベント"ver.1.2
http://www.grandstage.jp/

★★オートデスク株式会社★★
プロジェクト管理ツールShotgun
http://area.autodesk.jp

★★株式会社サードウェーブデジノス★★
クリエイター向けハイエンドPCとレンタルサービス
http://www.dospara.co.jp

★★株式会社CRI・ミドルウェア★★
CRIWARE最新技術デモ
http://www.cri-mw.co.jp

★★GMOクラウド株式会社★★
Photon / PlayCanvas / AppSealing
https://ir.gmocloud.com

★★Save Point★★
3Dビューワー搭載の制作管理ツールSave Point
https://www.savept.com

★★シリコンスタジオ株式会社★★
主力製品の最新デモ、新製品「Xenko」、海外製品
http://www.siliconstudio.co.jp

★★株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント★★
Project FIELD技術デモ及び開発環境の紹介
http://www.sie.com

★★ダイキン工業株式会社★★
3DCG制作ソフトAutodesk Maya
http://www.comtec.daikin.co.jp/DC/

★★ツクモ(TSUKUMO)★★
ゲーム開発・VRコンテンツの開発機器
http://shop.tsukumo.co.jp

★★株式会社Too★★
プロジェクト管理ツールShotgun他
http://www.too.com/fun/cgcad/

★★ニフティクラウド mobile backend★★
ニフティクラウドmobile backendの最新情報
http://mb.cloud.nifty.com

★★Havok★★
Havok PhysicsとHavok AI
http://www.havok.com

★★株式会社ボーンデジタル★★
Autodesk SHOTGUN
http://www.borndigital.co.jp

★★マッチロック株式会社★★
3Dパーティクル・エフェクトツール「BISHAMON」最新版
http://www.matchlock.co.jp

★★丸紅情報システムズ / TestPlant★★
テスト自動化ツール、画像類似度検証ツール、静的コード検証ツール
http://www.marubeni-sys.com/eggplant/

★★株式会社モノビット★★
VRコミュニケーションを支える「Monobit VR Voice Chat」
http://www.monobitengine.com

★★ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社★★
UBOWL2017、HoloLens、遊技機デモ等
https://unity3d.com/jp

★★株式会社ラクス★★
顧客管理のためのメールディーラーとチャットディーラー
https://www.maildealer.jp

★★RAD Game Tools, Inc.★★
5つの制作支援ツール
http://www.radgametools.com/jp/

★★株式会社wise★★
PSVRにおけるインタラクティブな360°実写映像の表現手法
株式会社wise
https://www.wiseinc-net.com

※GTMF2017 TOKYOの会場は東京・秋葉原UDX GALLERY NEXT THEATER。なお、6月30日にはグランフロント大阪のコングレコンベンションセンターで、GTMF2017 OSAKAが開催された。出展企業はほぼ同じ。

ゲームやVRだけじゃない、幅広い産業分野でUnity利用はまだまだ増える=簗瀬洋平氏
サイバード・河﨑伸明氏「好きなことを突き詰めることが大切」<開発現場インサイト>

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