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ブランド価値つくり込むためにはゲームの知見が有効=1→10drive・梅田亮氏<開発現場インサイト>

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会社は1990年代の設立ですね。

梅田:はい。母体である1→10designの創業は20年ほど前の1997年です。ウェブ制作会社としてスタートしました。IT系の企業としては老舗ということになります。創業者の澤邊(澤邊芳明氏、現1→10HOLDINGS代表取締役)の考えで、業務の幅を常に広げてきました。

スマホが出てきたら、スマホ・アプリをやってみよう、IoTの動きが出てきたら、挑戦してみよう。その他、インスタレーションやプロジェクションマッピングなど、どんどん新しいチャレンジをしてきました。現在は、ホールディングスの下に事業会社がある体制です。

弊社(1→10drive)の業務は商品開発です。グループ連携ですが、例えばVRに関してクライアントがPRの手段として利用するならば1→10designが手掛け、商品として納品するなら弊社が受け持つという体制をとっています。

京都水族館のインタラクティブアートも手掛けられましたね。

梅田:水族館はそもそも、「魚のいる空間」が商品であるわけです。例えば「雪とくらげ」という作品では、水族館の冬向け商品を作ったということになります。グループとしては他にも、1→10Roboticsがソフトバンク「Pepper」の会話エンジンを開発したり、1→10imagineがライブやエンタメ分野の仕事をしています。

御社とゲーム業界の関わりについて教えてください。

梅田:5月に京都で開催された「A 5th Of BitSummit(フィフス オブ ビットサミット)」に出展しました。本来ならゲーム制作会社が出展するイベントですが、それ以外の会社も多かった。東京で開催された「Unite Tokyo」にも出展しましたが、やはりそうでした。ゲームやVRの世界は、もはやノーボーダーに近づいていると思います。

弊社は商品開発において、その体験を重視しています。”良い体験”にはエンタメ性も重要な要素です。面白がっていただくことは大切ですから。ゲーミフィケーションという言い方もありますが、面白がっていただくためには、ゲームの知識や経験が役立ちます。

グループ全体でも、ゲーム制作会社出身の人材がいます。玩具メーカーや精密機器メーカーなどいろいろな業種や職種の人に入っていただいています。異業種出身者の持つ経験や価値観が交わる形でものづくりをしているわけです。

ものづくりに対するアプローチについて教えてください。

梅田:弊社は「Brand Prototyping Company」を理念に掲げています。商品企画、開発、ブランド戦略のプロフェッショナルがプロトタイプを作っていくのですが、最初から仕様書をかっちりと決めるのではなく、プロトタイプをぐるぐる回しながら、スクラップ&ビルトを続けていくイメージです。

初期段階のプロトタイプ(体験モック)を、プロデューサー、デザイナー、クライアントがかかわりながら質を上げていくわけです。この方式はメーカーなどで採用事例が増えているオープンイノベーションとも相性が良いので、引き合いも増えています。

広告代理店のご出身と聞きますが、新しい道にチャレンジしたきっかけを教えてください。

梅田:広告代理店には14年間いました。といっても広告だけではなく、いろいろなことにチャレンジしました。PRも含めて、コンテンツづくりを幅広くやっていたと言ってもよいでしょう。ちょうどデジタル化が盛り上がった時代で、挑戦する機会に恵まれました。

デジタルの浸透には、本当にワクワクしました。例えばブログが出てきた時には、一般消費者の情報発信力が高まるため、広告の世界が変わると感じました。それまでのようなマス媒体だけでなくなると思ったわけです。つまりこの時に、デジタル媒体が絶対伸びるであろうロジックが成立したわけですが、それ以上にワクワク感に導かれてデジタルの世界に飛び込んでいったと言えるでしょう。

その後、広告づくりがエキサイティングな仕事であることは間違いないが、それ以外にも世の中に良いもの、価値あるものを生み出していきたいと思うようになりました。テクノロジー・ドリブン、つまり新しい技術で世の中に価値を広げられる状況になったと思いました。まだ漠然としていましたが、そんなタイミングで1→10driveが立ち上がることになり、声をかけていただいたという経緯です。

理系のご出身ですが、そのことは仕事のスタイルに関係していますか。

梅田:学生時代にプログラムを学んだことで、テクノロジーとは何かということが、なんとなく理解できる。あるいはテクノロジーに対して抵抗感がない、ということは言えるかもしれません。

ただ、大切なのはテクノロジーそのものではなく、最後のアウトプットです。そのために、最適なテクノロジーを選択せねばなりません。最新テクノロジーが最適テクノロジーであるとは限りません。最新テクノロジーについて、実験的にやってみる、あるいは少しだけアウトプットしてみるのも必要でしょう。しかし一番大切なのは、最新テクノロジーを含めて自分の引き出しを増やしていくことと、引き出しの中身から必要なものを選び出す能力、あるいは引き出しにある物を評価する感度であるはずです。

株式会社ワン・トゥー・テン・ドライブ 代表取締役社長 梅田亮(うめだ・りょう)氏

これまで仕事の上で、壁に突き当たったことはありますか。

梅田:広告代理店にいた時に、仕事がうまくいかない、プロジェクトがうまくいかない、評価されないなどで悩んだこともありました。

よくない状況に陥れば、他人のせいにしたくもなります。でも、それでは自分の成長を止めてしまうと気づいたのです。大切なことは、いかに自分自身の出来事として受け止めるかということです。あるいは、自分が決定する立場だったらどうするかと考えてみる。

とにかく問題が発生した場合、それを自分自身に直結することと思えるように意識を切り替えたことで、成長できたと思っています。

最近の課題としては、弊社をもう少し会社らしくせねばならないと思っています。弊社設立は2015年で、「社長1人の会社」からの出発でした。もちろん、すぐに社員の採用を初めて現在では20人ぐらいになりました。社長の大切な役割は社員をモチベートできる環境を維持することです。基本的には個別の仕事をスタッフにゆだねて経営に徹すべきかなと思っています。

ブランドプロトタイピングを唱える会社が縦割り組織になってしまったら意味がありませんから、そうはしません。しかしその一方では、人が増えても混乱しない組織を作らねばと考えています。

人をもっと増やすお考えとのことですが、どんな人材を求めますか。

梅田:ひと言で表現するなら、感度の高い人です。例えばエンジニアなら、新しい物事が出現すれば、とにかく「触ってみよう」との気持ちを持つ。それだけでなく、プランニングや企画にも関心を持ち、プロデューサーと意見を交わせる人。自分が直接責任を持つ技術面を解決すればそれで終わりというのでなく、「仕事とは世の中に価値を届けてこそ成立する」という感覚を、しっかりと身に着けている人です。弊社は今後も、一緒に仕事を楽しめる仲間を募っていく方針です。

これから業界を目指す方へ、メッセージをいただけますか。

梅田:やれると思い続ければ、達成できるという考えを持って欲しいですね。私自身の場合、就職に際してはCMづくりを生業とすることでした。ですから、広告代理店にクリエーターとして応募したのですが、やはりハードルが高かった。

そこで改めて、どういうことで自分の力を発揮できるのか考えてみたわけです。その結果、マーケターとして入社することができました。つまり、クライアントの要望を整理してCMプランナーにパスし、情報を整理してクリエーターにインプットする仕事です。

就職に際して、自分がいったい何をやりたいのか深堀りして考えてみることが有効だと思います。今、うまくいっていないのなら、他にも方法があるのではと考えてみるべきです。どんなアプローチでもよいのです。私もマーケターとして入社して、途中からデジタル広告のプランナーなどを務めることができました。キャリアチェンジやジョブチェンジだってできるでしょう。希望する業界に入りさえすれば、なんとかなるものです。逆に、入らないことには始まりませんから。

エンジニアを志すうえで大切なことは何でしょうか。

梅田:大切なのは基礎体力、つまり技術力ですね。まずは一つの技術に精通することが大切です。しかし同時に、一つのことができるだけでよいのではありません。何かに精通すれば、応用もし易くなるということです。

例えば、Unityさえ分かればよいというのではありません。今でこそUnityの技術者は「売り手市場」ですが、今後も同じ状況が続くとは断言できませんから。とにかくアンテナは必要です。技術力とアンテナの双方を持っていれば、ワクワク感、あるいは感性を維持できるでしょう。そうであってこそ、チャンスは広がってくると思います。

取材・構成:D-Studioマガジン

株式会社ワン・トゥー・テン・ドライブ
梅田 亮(うめだ・りょう)
株式会社ワン・トゥー・テン・ドライブ 代表取締役社長。2002年、早稲田大学理工学部を卒業後、同年に大手広告会社入社。 マーケティング部署を経てコミュニケーションデザイン領域へ。マーケティング領域の多様化に伴い、デジタル、PR、プロダクト/コンテンツ開発など、 新たな領域に幅広く積極的に取り込み、プロジェクト全体を推進していくチーフプロデューサーとして活躍。2015年、現職に就任。
2017年に「1→10drive 試作室」プロジェクトを立ち上げ、数々のプロトタイプを発表し続けている。
2011年、2013年、2014年クリエイター・オブ・ザ・イヤーノミネートをはじめ、グッドデザイン賞、TIAA、NYFestival、ADFEST、AD STARSなど受賞AdverTimesコラム連載(2012-2013年)他、執筆、講演、審査員など経験多数。 現在はIoT Todayで連載記事を執筆中。

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